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Tesla Quartetのラヴェルとハイドン

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 こんばんは。今はハイレゾの新譜、Tesla Quartetのラヴェルとハイドンを聴いているよ。9月に出たばかりで、もしかしてこれがデビュー盤なのかな、まったく聴いたことのない名前の弦楽四重奏団だよ。ジャケット写真を見ると、最近よくあるポピュラー系のグループのようなノリの写真。もう、こういうの見ても全然インパクトはないね。むしろ陳腐化しているんじゃないの。

 でも、聴いてみたら演奏はいろんな意味で突出しているように感じたよ。
 まず、最初にラヴェルの弦楽四重奏曲が収められている。これが、思い入れたっぷりのベタ甘の演奏。第一ヴァイオリンのスナイダーという兄ちゃん(画像左端)の楽器は終始あまり現実味のないフラジオレットのような音で、甘いポルタメントをかけまくって夢見心地に歌い上げる。この曲の、こういう傾向の演奏は好みじゃないけど、たしかにこんな通俗的な面もある曲なんだし、この演奏自体も徹底していてたしかに耽美的な美しさがあり、中毒性がないこともない。
 というか、抗いがたい魅力も感じてしまうね・・演奏はものすごく巧く、録音も最上で、よくあるモヤモヤした感じではないのがいいね。

 まあでも、ラヴェルのほうはまだ予測の範囲内だったね。ハイドンの弦楽四重奏曲op.54no.2には唖然としたよ。これ、変な演奏だよ。アクセントの付けかたがおかしいのかね、とても古典派の楽曲には聴こえないよ。なんか近代音楽みたいに聴こえる。
 おれはハイドンの弦楽四重奏曲が大好きなんで、収録されている盤は聴きたくなるんだけど、こんな演奏を耳にしたのは初めてだったよ。
 でも、これはすごく気に入ってしまったよ。ハイドンの弦楽四重奏曲は造りがシンプルなぶん、面白く聴かせるのは難しい部分があるよね。古楽器派よりも現代楽器での演奏のほうが総じて面白いと思うけど、これは現代楽器での新しいアプローチだと思ったよ。他の曲もこの団体で聴いてみたくなったよ。

 さて、ラヴェルとハイドンの間に、スナイダー君編曲のラヴェル『ハイドンの名によるメヌエット』が挟まれていてこれも洒落ている。
 また、ハイドンの次にはストラヴィンスキイの弦楽四重奏のためのコンチェルティーノが収録されていて、その間にはまた同編曲のラヴェル『古風なメヌエット』、最後に遺作のメヌエットが置かれているという趣向。徹底して、凝っているよね。

 このロス・スナイダーという人は才人だね。

 なんか、変わった盤だったけれどかなり楽しめたし、けっこう気に入ったよ。今後どうなっていくか予測できないけど、要チェックの若い弦楽四重奏団がまたひとつ増えたという感じだったよ。
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Pragaレーベルの室内楽SACD

 こんばんは。先日SACDプレーヤーを購入して以来、自宅にあった僅かな盤では飽き足らず、SACDを図書館やレンタル屋で借りてきたり、買ったりして、聴きまくっているよ。十分予想できたこととはいえ、かなりの散財になってしまった。いまが一番金欠の時期なので我慢しなきゃならないと思うと、却って物欲に捉われてしまうね。

 そんなこんなで、チェコのヒストリカルと室内楽のレーベル、PragaのSACDを何枚も購入して聴いてみたよ。ここはチェコの現役世代のいろんな弦楽四重奏団が、チェコものからドイツ音楽、現代音楽にいたるまで幅広いレパートリーを入れていてカタログを眺めているだけで楽しいし、録音がとても優れている。三つの四重奏団が分担して入れたマルティヌーの弦楽四重奏全集やピアノ五重奏、ピアノ・トリオなんかの盤は以前から愛聴盤だよ。
 
 今回は、マルティヌーにも参加していたプラジャーク四重奏団、ツェムリンスキー四重奏団、そして昔オルランド四重奏団という名称でPhilipsレーベルに録音していた、現パルカニ四重奏団の盤を買ってみたよ。

 うち、パルカニ四重奏団だけは音色が違うね。暖色系のちょっと厚みのある音で、録音も残響が結構乗った、傾向の違うものだったよ。ベートーヴェンとシューベルトということでこういう音作りがされているのかな。でも、この四重奏団はこのレーベルからバルトークの四重奏全集を出しているんだよね。この音でバルトークかぁ・・・。ちょっと手を出す勇気は出なくなったかな。
 なにしろこのレーベル、堂々のフルプライスで、もともと手を出しづらいんだよ。

 残るプラジャーク四重奏団とツェムリンスキー四重奏団は、区別がつかないくらいそっくりだね。マルティヌーを入れていたもうひとつのコチアン四重奏団も足して、この三つの団体はとても良く似ているね。
 おまけに今はコチアンのパヴェル・フーラがプラジャークの第一ヴァイオリンを務めているのだから、なおさらだよね。

 この三つの団体は、チェコのノヴァーク四重奏団とか、パノハ四重奏団なんかの流れを汲む団体のような気がするよ。技術的にはとても精密で近現代ものに適した性能をもつわりに、昔のLPで聴けるような独特の、ヨーロッパ風の?音程の取りかたが残っていて、どことなくひなびた味わいがある。おれは専門的なことはわからないけど、全体的に音程がちょっと低くなってる? そして旋律や隣り合わせの音に応じて耳に立つほど、同じ音でも細かく音程を変化させてるような感じだよ。音色自体は細身で輪郭のはっきりしたもので、和声よりも線的な絡みがよく聴き取れる。

 でも、今回思ったのは、このレーベル、四重奏団によって音の録りかたを変えているんだな、ということ。まあ担当エンジニアが違うのだろうし、収録場所や、四重奏団自体の好みにもよるのかな。
 で、おれはいまあげた似ている三つの団体では、しいて挙げれば録音込みで、まえからプラジャークはあんまり好みじゃないね。ちょっと身振りが大げさで、録音も響きがかぶさってくる感じがするよ。特にヤナーチェクの旧盤はよくなかった。
 実演では一番よく聴いているんだけどね。実演だと文句なしに素晴らしいんだけれど。
 コチアンはノヴァーク四重奏団に似た感じで、とても好きだ。近現代ものが特にいいよ。だからプラジャークの第一ヴァイオリンがフーラに変わったときはうれしかったよ。
 ツェムリンスキー四重奏団は、マルティヌーの1番しか今まで聴いたことなかったんだけど、今日2枚半(ドヴォルザーク1枚、ウィーン古典派1枚、そしてプラジャークと共演したブラームスの六重奏曲)聴いてみて、あまりの良さに心を奪われてしまったよ。
 特にハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンを入れた1枚。このハイドンなんて、今まで聴いたハイドンのうちでベストかもしれないよ。
 
 正直、あまりこの四重奏団に関しては期待してなかったんだけど、瓢箪から駒という感じだったね。
 今後ちょっと注意して、少しずつでも集めていこうと思ったことだよ。

フリエンド指揮ネザーランド交響楽団のベートーヴェン

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 今は、フリエンド指揮ネザーランド交響楽団のベートーヴェン交響曲全集のSACDから、7番と8番を聴いているよ。
 これはずいぶん以前に入手して以来、宝物にしているセットだよ。
 
 ベートーヴェンの交響曲なんて、もう何十年も聴きすぎて飽きてしまっているというのが本音のところだよ。実演含め、どんだけ同曲異演を聴いてきたんだか、とうてい把握しきれないよ。
 いろんな盤を聴いてきたけれど、気負いが先走った、疲れる演奏が多いよ。
 案外、録音も満足いくものは少なくて、聴いてるうちに欲求不満になって途中でやめてしまうんだよね。昔より最近の録音の方がよくない。どこの銭湯で録ったんだと言いたくなるような、残響まみれの湿っぽい代物が多いんだよ。

 そんな中、この盤の録音はいいよ。ホールトーンは潤いと艶を失わない程度に加味されているけど、楽器の音がとにかく生々しい。SACDのハイブリッド盤は、CD面も音がいいものが多いよ。
 SACD面はもっと音がいいけど、音量レベルが低いのでいつもの三割増しくらいでアンプのボリュームを上げないと満足いく音にならないね。いつもの馴染んだボリューム位置よりぐっと上げるとちょっとドキドキして心臓に悪いね。近所迷惑になるんじゃないとか、スピーカーに悪いんじゃないかなんて余計なことを考えてしまうね。実際は出てくる音量をいつもと同じにするだけなんだから、本当に余計な心配だよ。
 
 この演奏は、いわゆるピリオド・アプローチというやつだよ。金管楽器は当時のものを使っているらしいね。昔、アマオケで8番をやったとき、なぜかティンパニだけ昔のを持ち込んでいたのを覚えている。パンパンと威勢のいい音で面白かったけど、この盤のがそういうのかは良くわかんない。弦は古楽器オケじゃないからモダンなんだろうけど、奏法はノン・ヴィブラートの古楽奏法だね。編成もずいぶん少人数にきこえるね。でも、音には薄さを感じることはないよ。室内楽的な芯が感じられるタイトな音で、しかも聞こえないパートはないと言っていいくらい、クリアに録れているよ。いやぁ、いいね~

 おれはベートーヴェンの交響曲では8番がいちばん好きなんだよ。演奏したことがあるからというのもあるけど、曲想が一番現代的だと思うよ。プロコフィエフの一番なんかに似た、擬古典的ないたずら心が感じられるんだよね。
 この盤の8番の演奏は本当に素晴らしいよ。100点満点中、100点あげちゃうよ。なんせヴィオラの音がバッチリ聞こえてくるのが最高だよ。冒頭部分の次に、ヴィオラの刻みの上でヴァイオリンが上行折れ線グラフみたいな旋律を奏でるところがあるんだけど、ここでヴィオラの音がしっかり聞こえる録音は案外少ないよ。たとえばちょっと前に評判になったラトルとベルリン・フィルのなんて、ヴィオラの音だけ、マイクが壊れたみたいにすっぽ抜けていたもんだから腰を抜かしたよ。あんだけ聞こえないのも珍しかったね。最終楽章では各弦楽器の刻みの掛け合いがあるんだけど、ヴィオラのところだけ音がなくなるの。珍品だったよね。
 この盤ではそんなことはないよ。どの音も弾むような生々しい音で、よく録れているね。

 録音のことばっかり書いちゃったけど、もちろん演奏も最高だよ。いま8番の最後のところに来たけど、ティンパニが威勢よくパンパン鳴ってて爽快だね。やっぱこれも例の昔のタイプなんだろうかね。
 あんまり好きじゃない7番もすごく良かったよ。
 1番から9番まで、実を言うと全部いい演奏なんだよ。

 ただ、オケにはちょっとだけ粗がある部分もあるので、スーパーオケの磨かれた演奏しか受け付けないとか、細部の瑕疵を鬼の首でも取ったようにあげつらったりするタイプの聞き手には、お勧めできないかもね。

 でも、おれ的には今のところ、クリップス、クーベリック、そしてこのフリエント盤があればベートーヴェンの交響曲はもう満足かな。

Quatuor Van Kuijk

 Quatuor Van Kuijkという弦楽四重奏団の音源を聴いた。まったく未知の団体で、団名さえ読めない。最近は若手の弦楽四重奏団が雨後の筍のように出てきていて、どれもがたいてい非常に巧く、聴き栄えがするという嬉しい状況なので未知の団体でもあまり不安はないが、これはレーベルが私のお気に入りの「α」なので期待したら、果たしてとてもとても良かった。
 聴いたのはドビュッシー・ラヴェル・ショーソンを集めた一枚。特にドビュッシーが素晴らしかった。
 モーツァルトを入れたものも入手したので楽しみに聴こうと思う。


9/8(月) 都響・フルシャのマルティヌーを聴く

 サントリーホールにて都響のB定期を聴く。
 曲目等は以下の通り。

東京都交響楽団第774回定期演奏会

指揮:ヤクブ・フルシャ

マルティヌー:交響曲第4番

休憩

マルティヌー:カンタータ「花束」
  ソプラノ:シュレイモバー金城由起子
  メゾソプラノ:マルケータ・ツクロヴァー
  テノール:ペテル・ベルゲル
  バス:アダム・プラヘトカ

 ずっと聴きたいと思っていたフルシャのマルティヌー、今回初めて聴けたのでうれしい。もう何年も前から交響曲を中心に少しずつ進行しているシリーズで、いつも気になっていたのだけれどスケジュールが合わず、一度も聴けずじまいだった。大好きな交響曲第3番を聴き逃したのは未だに悔やんでいる。
 今日は雨の中、少し遅めに出かけていったら気がはやったのか地下鉄の乗り継ぎを間違えてしまい、危うく今回も聴き逃すところだった。さいわい開演時間を少し過ぎてしまったものの間に合い、席に着いて、息を整えているとまもなく開演。前半に交響曲というのは少し珍しいプログラミング。曲の規模の関係なのだけれど、こちらも30分以上の曲で決して小規模ではない。演奏はとても良かった。CDではあまり耳に入ってこない精妙な、幽玄な響きにもハッとさせられた。独特のうねうねした素材の発展も実演で聴いた方がしっくりくるようだ。これはマルティヌーの6曲ある交響曲のうち、5番目くらいにお気に入りの曲なんだけど、今後はもっと愉しんで聴けるだろう。
 それにしても、滅多に実演で聴けないマルティヌーの交響曲を、こうしてほぼベストの布陣で聴くことができたのはうれしいとともに、やっぱり3番を聴き逃したのが改めて残念に思われたのだった。チェコ・フィルも来るたび新世界ばかりやってないでこういうのを持ってきてほしい(まあムリだろうな~)
 今夜の白眉は「花束」のほう。これは本当に面白かった。何に似ているかと言えばたぶんヤナーチェクの「わらべ歌」に一番似ているのだろうけれど、民衆詩に材を取った歌詞はマーラーの「少年の不思議な角笛」を思わせるし、オルフのようでもあるし・・。オーケストレーションは色彩豊かで、時々入るハルモニウムの鄙びた響きもいい。歌は徹頭徹尾現世的で、マーラーのように時々彼岸へ思いをはせたりはしない。男に会いたい一心で弟を毒殺する娘の歌や(「イェヌーファ」的リアリズムではなく、なんだか人を食ったような雰囲気)、刑務所から助けを求める男を家族は見捨てたが恋人が身代金を出してくれた歌とか、働き盛りの男が死に神に出会って有無を言わさず連れ去られてしまう歌など。投獄された男の歌はオケの最後の盛り上がりがすごく、「大地の歌」のようだったが歌詞が「恋人が身代金を出してくれた~」みたいなものなので笑いをこらえるのに苦労した。軽く扮装した児童合唱がニコニコしていて可愛かった。ツクロヴァーさんもクリムトの絵から抜け出してきたようで美しかった。
 これはマルティヌー入門にはベストなんじゃないだろうか。マルティヌー特有の乾いた感じがなく、生気に満ちているのは「典型的」とは言いがたいけれど。帰宅してすぐネットでCDを捜したが、既に所有しているアンチェル指揮のモノラル放送録音しかないようで、どんなマイナー曲でもすぐ手に入る昨今には珍しいことでびっくりした。
 ここは是非、今夜の演奏をCD化して発売してほしい! これくらい世に出す価値のある音源は滅多にない! と強く思われたことだった。

12/19(木) 都響・インバルのバルトークを聴く

 東京文化会館にて都響のA定期を聴く。
 曲目等は以下の通り。

東京都交響楽団第762回定期演奏会

指揮:エリアフ・インバル

バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
  ヴァイオリン:庄司紗矢香

休憩

バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」
  メゾソプラノ:イルディコ・コムロシ
  バリトン:マルクス・アイヒェ

 このプログラムはもともと2011年3月に予定されていたのが、東日本大震災の影響で公演中止になったもの。その年のプログラムでいちばん楽しみにしていたので残念だったから、こうしてやり直してくれて嬉しい。今年は定期会員にならなかったので、一回券を買って聴きに出かけた。
 庄司紗矢香さんを聴くのはこれで二度目。本当はこのプログラムではじめて聴く予定だったが、上に記した事情でその後の同じ都響とのシマノフスキが最初になった。そのシマノフスキが今も強烈に印象に残る素晴らしいものだったから、今回も非常に期待していた。
 今回のバルトークもとても良かった。何より印象に残ったのが楽器が野太い音で朗々と鳴り響いていたことで、変な例えだが、CDなどで聴ける協奏曲のソロみたいだと思ってしまった。実演だと往々にしてソロがオケの影に隠れたようになってしまうことがあるが、今回はまったくそんなことはなかった。楽器が、好きな往年のヴァイオリニスト、ミッシャ・エルマンの使っていたストラディヴァリ「レカミエ」であることも感興深かった。
 演奏はとてもスマートな洗練されたもので、あまりに巧くてスイスイと進み、とんでもない難曲であることを忘れさせるもので、さすがにもうちょっとゴツゴツしたところがあったほうが面白いかも・・と思っていたら、最終楽章に入って俄然、表現が濃厚になり、猛烈な盛り上がりとともに終演。あまりに凄くて呆然としてしまった。目立ったマイクなどは設置されてなかったからCD発売はないだろうか・・インバルの公演はいつもCDで出るのだから、これこそ出してほしいと思わされた。
 あと印象に残ったのがハープ。ものすごく目立っていたし、曲中、実にいいアクセントになっているんだと分かった。
 終演後、ハンガリー民謡の素敵なアンコールあり。民謡と言っても全然素朴じゃなく、そのままバルトークの世界につながっていくような、そして技巧的な面白いものだった。

 「青ひげ公の城」は実演は二度目。同じ都響で、そのときはCDも聴いたことがなく、本当にはじめて聴く曲だったのだが、実に異様な、今まで接したことのないものを聴いた気がして、心底感動したことをよく覚えている。
 今回は予習もしっかりしていったので、聴きどころもわかり、愉しめたのだけれど、どうも、受けた衝撃や感動は前回のほうがずっと大きかったようだ。「あれ、実演でもこんな感じだったっけ・・」とやや拍子抜けしてしまった。
 とはいえとても水準の高い、「名演」といっても大袈裟でない出来だったとは思う。
 やはりこれもスマートな、おどろおどろしさのない、インバルらしいといえばインバルらしい音楽作りだったからかもしれない。

ガラスの心

Glass.jpg


Glass heart
Violin, Maria Bachmann Piano, Jon Klibonoff
Orange Mountain Music 7006


1. Philip Glass: Sonata No. 1 for Violin and Piano
2. Bach/Gounod: Ave Maria
3. Schubert: Sonata in A major for Violin and Piano
4. Ravel: Sonata Opus Posthume


 フィリップ・グラスは好きな作曲家の一人。どの曲を聴いても同じようなものとは思うが、例の際限ない反復から奇妙な憂愁がたち昇ってくるところに中毒性がある。時々無性に聴きたくなることがあり、そんなときに取り出してきてかけるのがこのCD。グラスの作品中でも最も叙情的で、なにか切迫したもの悲しさがある。
 第一楽章は細かな動機の反復と変形からなるグラス節だが、もの悲しさが無尽蔵に増殖していく。第二楽章は非常にメロディアスで、もうこれはミニマルというのではなさそうだ。硬質な美しさが際立っている。最終楽章はエネルギッシュな無窮動的な音楽。全篇通して、人工美と情感の深さが同居していて、あまり他では味わえないような音楽体験ができる。
 あまりにいい曲なものだから、楽譜も入手した。いつか自分でも弾いてみたい。
 このCDは他にグノーの「アヴェ・マリア」とかラヴェルの遺作ソナタといった甘口の耽美的ヴァイオリン曲と、素朴で至純なシューベルトが収録されている。この曲の配置もまた、あまり例を見ない感じで一種の悪趣味が洒落ていて、ちょっとたまらないものがあるのだった。
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