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12/19(木) 都響・インバルのバルトークを聴く

 東京文化会館にて都響のA定期を聴く。
 曲目等は以下の通り。

東京都交響楽団第762回定期演奏会

指揮:エリアフ・インバル

バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番
  ヴァイオリン:庄司紗矢香

休憩

バルトーク:歌劇「青ひげ公の城」
  メゾソプラノ:イルディコ・コムロシ
  バリトン:マルクス・アイヒェ

 このプログラムはもともと2011年3月に予定されていたのが、東日本大震災の影響で公演中止になったもの。その年のプログラムでいちばん楽しみにしていたので残念だったから、こうしてやり直してくれて嬉しい。今年は定期会員にならなかったので、一回券を買って聴きに出かけた。
 庄司紗矢香さんを聴くのはこれで二度目。本当はこのプログラムではじめて聴く予定だったが、上に記した事情でその後の同じ都響とのシマノフスキが最初になった。そのシマノフスキが今も強烈に印象に残る素晴らしいものだったから、今回も非常に期待していた。
 今回のバルトークもとても良かった。何より印象に残ったのが楽器が野太い音で朗々と鳴り響いていたことで、変な例えだが、CDなどで聴ける協奏曲のソロみたいだと思ってしまった。実演だと往々にしてソロがオケの影に隠れたようになってしまうことがあるが、今回はまったくそんなことはなかった。楽器が、好きな往年のヴァイオリニスト、ミッシャ・エルマンの使っていたストラディヴァリ「レカミエ」であることも感興深かった。
 演奏はとてもスマートな洗練されたもので、あまりに巧くてスイスイと進み、とんでもない難曲であることを忘れさせるもので、さすがにもうちょっとゴツゴツしたところがあったほうが面白いかも・・と思っていたら、最終楽章に入って俄然、表現が濃厚になり、猛烈な盛り上がりとともに終演。あまりに凄くて呆然としてしまった。目立ったマイクなどは設置されてなかったからCD発売はないだろうか・・インバルの公演はいつもCDで出るのだから、これこそ出してほしいと思わされた。
 あと印象に残ったのがハープ。ものすごく目立っていたし、曲中、実にいいアクセントになっているんだと分かった。
 終演後、ハンガリー民謡の素敵なアンコールあり。民謡と言っても全然素朴じゃなく、そのままバルトークの世界につながっていくような、そして技巧的な面白いものだった。

 「青ひげ公の城」は実演は二度目。同じ都響で、そのときはCDも聴いたことがなく、本当にはじめて聴く曲だったのだが、実に異様な、今まで接したことのないものを聴いた気がして、心底感動したことをよく覚えている。
 今回は予習もしっかりしていったので、聴きどころもわかり、愉しめたのだけれど、どうも、受けた衝撃や感動は前回のほうがずっと大きかったようだ。「あれ、実演でもこんな感じだったっけ・・」とやや拍子抜けしてしまった。
 とはいえとても水準の高い、「名演」といっても大袈裟でない出来だったとは思う。
 やはりこれもスマートな、おどろおどろしさのない、インバルらしいといえばインバルらしい音楽作りだったからかもしれない。
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