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8/1の夢

 昔のデパートのような薄暗くて雑然としたビル。学校として使われている。私はずいぶん長くそこの学生である。学園祭が近づいている。学園祭といってもそのビルがある町が一丸となって執り行う大規模なもの。すでにビルの中にはいろんな屋台が並んで賑やかだ。
 私は町に用事があって出かけることになった。同行者が必要なので、数階下のクラスの、以前仲良くしていた少女を誘おうと思って階段を下りていく。
 少女のいるフロアは机の類がすべて取り払われ、天井には色とりどりの飾り付けがされて何か演芸会の会場のようになっている。ここもまた人でいっぱいである。入口に立ち、少女の姿を探していると、ほかの女子たちが親しげに声をかけてくる。みな顔見知りで、こちらに注意を向けてくれるのは嬉しいけれど、以前に仲良くしていて今は離れてしまった少女をまた誘いに来たことが知られてしまうのは具合が悪い。
 それに、昔のように気安く一緒に出かけてくれることも期待はできないのだった。冷たく断られるかもしれないのだから、ほかの子たちにそんなところを見られたくはない。
 いちど出直そうと思って階段をさらに下り、ビルの外に出る。
 ビルの一階は吹き抜けになっていて、湯気がもうもうと立ち込めている。何事かと思って見ると、床が小さな長方形に区切られ、それぞれ足首くらいまで浅くお湯が張られていて、いくつかには屈強な男たちが腹ばいになって沐浴をしている。灰色一色でコンクリートがむき出しになっているのかと思ったが、よく見ると一面に石灰のような凝固したものがこびりついていて、灰色なのはその色なのだった。
 大きな柱を回りこんで様子を見に行くと、柱に取り付けられた蛇口からからお湯があふれ出している。ここは温泉で、それも相撲の力士専用なのだと説明書きにある。道理で屈強な男たちばかりだと思って見回すと、男たちはみな一様に黒い口ひげを蓄えた、トルコ人ばかりであった。
 階段をまた上りながら、昔、当たり前のようにいつも傍らにいてどこへ行くにも一緒だった少女の様子を思い出して、強い喪失感に襲われる。

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